『相場サイクルの基本』(投資日報出版) では、ドル/円のプライマリー・サイクルを33週としている。1994年当時、メリマン自身が使っていたものだという。マルク/ドルのそれは26週となっており、彼は通貨のサイクルを幾分、長めに考えているようである。
こうしたサイクルは「時代の変化と共に若干変動することがある」と、彼自身が述べている通りである。また、彼の考えを100%鵜呑みにする必要もない。
しかし、ちょっと気になるではないか。ユーロ/ドルのプライマリー・サイクルを17週ではなく、34週とするべきではないか……実はこれ、どちらでも構わない。
計算しやすいように、18週のプライマリー・サイクルをもつ通貨を考える。メジャー・サイクルは、これを3分割した6週程度のものになるはずである。
チャートを眺めるうちに、「プライマリー・サイクルを36週とすべきではないか」と思い直したとする。18週は、そのままハーフ・プライマリー・サイクルとなる。36週を6分割した6週程度のサイクルは、トレーディング・サイクルと呼べばいい。
要は呼び名が変わるだけ。実際の取引において、それほど大きな差は生じない。
ただしプライマリー・サイクルは、もっとも基本的なサイクルであり、ハーフ・プライマリー・サイクルとは重要度に違いがある。また、そのハーフ・プライマリー・サイクルが出現する頻度は、メジャー・サイクルと比べても低い。
それらを考慮に入れ、チャートを眺めるならば、やはりユーロ/ドルのプライマリー・サイクルは、17週程度とするのが妥当であるように思う。そのうえで話を続けよう。
EXCELで、2006年から現在までの日足データのフーリエ解析を行う。データ数は2048個である。結果として、振動数31、38、47、58、67、68をもつ波動が優勢であることがわかった。優勢なものから順にa波、b波、c波……と呼んでおくことにする。
a波(約30日サイクル) 2048/68=30.117647...
b波(約31日サイクル) 2048/67=30.567164...
c波(約66日サイクル) 2048/31=66.064516...
d波(約54日サイクル) 2048/38=53.894736...
e波(約35日サイクル) 2048/58=35.310344...
f波(約44日サイクル) 2048/47=43.574468...
b波(約31日サイクル) 2048/67=30.567164...
c波(約66日サイクル) 2048/31=66.064516...
d波(約54日サイクル) 2048/38=53.894736...
e波(約35日サイクル) 2048/58=35.310344...
f波(約44日サイクル) 2048/47=43.574468...
フーリエ逆変換の結果と照らし合わせ、6波動を日足チャート上に書き入れる。なお、安値から安値までの期間をもって「サイクル」とすることを確認しておこう。下のチャートにおいても、6波動が最小値をとる日を垂直線で表している。

ユーロ/ドルは、2011年1月10日に底値をつけている。これはa波の終了とぴったり重なっている。プライマリー・サイクル2周期目の終了を10月上旬と書いたが、正確には10月3日から始まる週である。その10月3日は、e波終了とも重なっている。
だが一応、プライマリー・サイクル終了を10月5日と仮定しておく。週の真ん中でもあり、1月10日から営業日で192日を数えるためでもある。4でも6でも割り切れて都合がいい。チャート上には、その192日間を4等分、6等分した期間が半円で描かれている。