
マーク・ダグラス
最初、目を通したときよりも、数年後に読み返したときの衝撃の方が大きかった。そんな本である。どれか一冊をと乞われたならば、私はこれを推す。ちなみにゾーンとは、チクセントミハイのいうフローである。
マックス・ギュンター
スイスの投機家には「チューリッヒの公理」と呼ばれる冷徹なルールがあるという。船が沈み始めたら祈るな。飛び込め。根を下ろしてはいけない。それは動きを鈍らせる。そんな公理を凝縮した一冊。

エドウィン・ルフェーブル
投機王ジェシー・リバモアの生涯を描いた小説。同じ伝記的小説としては『世紀の相場師ジェシー・リバモア』(角川書店)というのもあって、どちらをお薦めするか迷った。やや、こちらの方が投資家向けか。
ジョン・J・マーフィー
いまでこそテクニカル分析の本など書店にあふれているが、10年前はこれを含めて数冊しかなかったように思う。それで、この10年でこれを超える本が出たかというと出ていない。一冊あれば充分。
佐々木英信
本来であれば『一目均衡表 完結編』(経済変動研究所)をお薦めするべきなのである。 しかし、手に入りにくいうえに高価ともなれば、この『研究』を取り上げるしかない。できれば2冊揃えてほしい。
ジャック・D・シュワッガー
言わずと知れた名著。いちおう解説しておくと、アメリカのトップトレーダー16人へのインタビュー集である。シリーズは数冊出ているが、とりあえず次の『新マーケットの魔術師』と併せて2冊、繰り返し読むといい。
ジャック・D・シュワッガー
巻末に「魔術師たちの金言集42か条」も収録されて、お得感がある。 匿名トレーダーが『禅とアーチェリーの美学』という書籍について語っている。おそらくオイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』(福村出版)ではないか。
ブレット・スティンバーガー
リストにして気づいたけれども、晃洋書房か。学術図書出版では、そこそこの老舗だ。そして、著者も本職の精神科医である。類書すべてに目を通したわけではないが、ほぼほぼベストの水準をいくものだと思う。
バン・K・タープ
トレーディング戦略、仕掛け、利食い、ポジション・サイジングなど、大切なことが一冊にぎっしり詰め込まれている。心理学に関しては、実はあまり触れていない。その辺はスティンバーガーの本で補えばいい。
矢口新
「FXトレーダー」という言葉も当たり前になったが、為替の世界では本来、「ディーラー」と呼ぶのである。長年、そのディーラーを務めてきた著者が、プロのディーラー向けに贈るディーリング哲学の書。
鏑木繁
既に10冊以上ご案内しているし、これも番外の一冊に加えておく。罫線、つまりテクニカル分析については『先物市場のテクニカル分析』一冊で充分である。しかし、この鏑木罫線は……味わい深いのである。