2015/11/18
伝説のトレーダーW. D. ギャンの分析手法の中でも、もっともよく知られているのはギャン・アングルであろう。
チャート上に45度の角度、つまりアングルで引かれたライン。価格と時間とが1対1で均衡したものとして、これを最重要の角度とギャンは考えた。この45度ラインをギャン・ラインと呼ぶこともある。
余談ながら、一目均衡表専用グラフ用紙というものがあって、それにも斜め45度のラインが印刷されている。 『一目均衡表 完結編』の付録、 あの「鐘化均衡表」にもしっかり45度ラインが引いてある。一目山人はギャン理論を研究していた可能性があると、そう指摘する声もある。ともかくも、斜め45度のラインは重要なようである。
さて、ギャンは別の角度をもったラインも何本か、補助的に使っている。これを扇状に引いたのがギャン・ファンである。私は「ギャン・アングル」の呼び名に馴染んでいるのだが、MT4内の表記に従って、この記事のタイトルでは「ギャン・ファン」とした。
そう、MT4にも搭載されている。「挿入(I)」をクリックし、「ギャン(G)」にカーソルを置けば表示される。しかし、私は長らくMT4でのギャン・ライン、ギャン・ファンの引き方がさっぱりわからなかった。いまは亡き DealBook では簡単に引けたのである。
無論、Google で検索して調べてもみた。検索上位の数ページ分しか見ていないが、その限りでは、役に立ちそうなサイトは一つもなかった。どのような説明が書かれていたかといえば、だいたい次の2パターンに区分できるようである。
① 45度の角度でラインを引く。
間違ってはいない。この記事の最初に述べた通りでもあるが、しかし、「45度の角度でラインを引く」としか書かれていない。値動きによってチャートの縦軸、つまり価格の表示幅は変化し、チャート上の角度も変化する。ほとんどの会社の提供するチャートがそうである以上、「45度の角度でラインを引く」というだけでは説明になっていない。
② 単純に高値と安値とを結ぶ。
原則として高値、あるいは安値を起点とするのは間違いではない。しかし、高値と安値を結ぶというのはデタラメである。そのときどきの高値、安値によって基準が変化することになり、ギャンが45度を基準とした意味が理解されていない。たまたま機能しているように見えたのかもしれないが、当てずっぽうで教えを垂れてはいけない。
基準となるギャン・ラインの角度は変えてはならない。しかし、値動きによって、チャート上の角度はいくらでも変化してしまう。これは難題のように思えるが、角度を価格と時間の関係に置き換えて考えるならば、実はさほど難題ではない。
要するに縦軸、価格の表示幅がどうであれ、価格と時間の関係をあらかじめ定め、これを動かさずにおけばいい。MT4でギャン・ファンを引く方が、私にとってはよほど難題である。もろもろの詳細については次回、述べることにしよう。
チャート上に45度の角度、つまりアングルで引かれたライン。価格と時間とが1対1で均衡したものとして、これを最重要の角度とギャンは考えた。この45度ラインをギャン・ラインと呼ぶこともある。
余談ながら、一目均衡表専用グラフ用紙というものがあって、それにも斜め45度のラインが印刷されている。 『一目均衡表 完結編』の付録、 あの「鐘化均衡表」にもしっかり45度ラインが引いてある。一目山人はギャン理論を研究していた可能性があると、そう指摘する声もある。ともかくも、斜め45度のラインは重要なようである。
さて、ギャンは別の角度をもったラインも何本か、補助的に使っている。これを扇状に引いたのがギャン・ファンである。私は「ギャン・アングル」の呼び名に馴染んでいるのだが、MT4内の表記に従って、この記事のタイトルでは「ギャン・ファン」とした。
そう、MT4にも搭載されている。「挿入(I)」をクリックし、「ギャン(G)」にカーソルを置けば表示される。しかし、私は長らくMT4でのギャン・ライン、ギャン・ファンの引き方がさっぱりわからなかった。いまは亡き DealBook では簡単に引けたのである。
無論、Google で検索して調べてもみた。検索上位の数ページ分しか見ていないが、その限りでは、役に立ちそうなサイトは一つもなかった。どのような説明が書かれていたかといえば、だいたい次の2パターンに区分できるようである。
① 45度の角度でラインを引く。
間違ってはいない。この記事の最初に述べた通りでもあるが、しかし、「45度の角度でラインを引く」としか書かれていない。値動きによってチャートの縦軸、つまり価格の表示幅は変化し、チャート上の角度も変化する。ほとんどの会社の提供するチャートがそうである以上、「45度の角度でラインを引く」というだけでは説明になっていない。
② 単純に高値と安値とを結ぶ。
原則として高値、あるいは安値を起点とするのは間違いではない。しかし、高値と安値を結ぶというのはデタラメである。そのときどきの高値、安値によって基準が変化することになり、ギャンが45度を基準とした意味が理解されていない。たまたま機能しているように見えたのかもしれないが、当てずっぽうで教えを垂れてはいけない。
基準となるギャン・ラインの角度は変えてはならない。しかし、値動きによって、チャート上の角度はいくらでも変化してしまう。これは難題のように思えるが、角度を価格と時間の関係に置き換えて考えるならば、実はさほど難題ではない。
要するに縦軸、価格の表示幅がどうであれ、価格と時間の関係をあらかじめ定め、これを動かさずにおけばいい。MT4でギャン・ファンを引く方が、私にとってはよほど難題である。もろもろの詳細については次回、述べることにしよう。
Search
Popular Posts
-
以下では2013年にさかのぼり、フーリエ変換に一目均衡表、ギャン・アングルを用いながらドル/円の分析をおこなう。いわば、 フーリエ変換による分析の概要 の応用編である。現在のドル/円の分析については、 メールマガジン をご参照いただきたい。 一目均衡表を少しでも聞きかじっ...
-
伝説のトレーダーW. D. ギャンの分析手法の中でも、もっともよく知られているのはギャン・アングルであろう。 チャート上に45度の角度、つまりアングルで引かれたライン。価格と時間とが1対1で均衡したものとして、これを最重要の角度とギャンは考えた。この45度ラインをギャン・ライ
-
以下にご案内するのは、いまさら記事にするのも気が引ける定番である。ただ最近、ギャン理論などについてネットで調べてみて、自分にとっての常識が常識として通用していないような気もしてきた。もはや定番も定番ではないかもしれない。無論、読んだことのない初心者の方もいらっ
-
SFにはSFファンがいて、ミステリーにはミステリーファンがいる。そういった意味では、私は経済小説ファンではない。 しかし、ブログのテーマに合わせて、私が読んで面白かった作品の中から経済小説と呼べるもの10作を選んでみた。 どちらかといえば、出版年の古いものが多い。どう
-
一目均衡表を日足で使うにしても、最近では次のような主張がある。 均衡表の考案された昭和初期には、週6日の相場取引があった。つまり基本数値9は1.5週を、26は1ヶ月を表すのであり、完全週休2日となっている現在では、基本数値を7と21に修正しなければならない、云々。実際、海外製...