2015/11/22
どうか、以下の方法でお確かめいただきたい。
8月24日から50日後の11月2日に垂直線を引く。1×1ラインとは価格121.16で交わっている。計算通りである。次に、8月24日から25日後の9月28日に垂直線を引く。2×1ラインとは同じ121.16で交わるはずだが、まるで見当違いのところで交わっている。
1×1以外の8本は、結局、何のために表示されているのかさえわからない。MT4の設計者も、ギャン・ファンをあまり理解していなかったのではないか。
では、どうすればいいのかというと、メニューバー「挿入(I)」からギャン・ファンではなくギャン・ラインを選択する。パラメーターの設定はギャン・ファンとまったく同じで、スケールを100.00にすれば1日10pipsの1×1が引ける。
1本しか引けない? 案ずるなかれ。もう1本表示させて、スケール50.00にすれば1×2が引ける。さらに1本、スケール200.00にすれば2×1が引ける。スケール33.33で1×3、スケール300.00で3×1である。スケール25.00で1×4、以下同様。
そうやって9本引いたのが、記事上のドル/円日足である。昨日のチャートと見比べてほしい。とくに矢印、10月15日の安値をサポートしているのが感動的である。 面倒であれば1×3、3×1を省略してもいいし、1×1、1×2、2×1だけでも充分に機能する。
いよいよ週足、月足の説明へと進む。重要である。1×1を設定する際、日足、週足、月足の価格比率は、原則として 1:2:4 にする。通貨の例ではないが、ジェームズ・ハイアーチェクが商品相場において最適な価格を提示している(ハイアーチェク『実践ギャン・トレーディング』日本経済新聞社参照)。その一部を紹介しよう。
日足 | 週足 | 月足 | |
トウモロコシ | 1セント | 2セント | 4セント |
大豆 | 2セント | 4セント | 8セント |
砂糖 | 4ポイント | 8ポイント | 16ポイント |
コーヒー | 50ポイント | 100ポイント | 200ポイント |
原油 | 10ポイント | 20ポイント | 40ポイント |
金 | 1ドル | 2ドル | 4ドル |
まず、週足1×1をスケール200.00にしてみる。続けてスケール300.00にする。月足1×1をスケール400.00にする。続けてスケール600.00にする。それぞれのチャートを見比べて、ぴったりはまった組み合わせが、すなわち1×1である。
ただ月足になると値が大きくなるが、スケールには1000.00以上の数値は入力できない。このあたりにも設計者の理解のなさがうかがわれる。ともあれ、以上がMT4を使う限りでの、唯一正しいギャン・ファンの引き方である。お試しあれ。
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