2016/03/17

移動平均に関する記事を書こうか、どうしようか、正直、迷っていたのである。笠井量雲堂本舗のメンバーの中にも、移動平均を信奉しているものはいる。記事にするのを反対されたわけではないが、まあ、遠慮というものもある。
とはいえ今、これを読んでいるあなたを儲けさせたくて、ブログを始めたのである。もし儲けていないのであれば、この記事が売買法を見つめ直すきっかけになるかもしれない。ひとつの参考意見として、ご高覧いただければ幸いである。
通常、日々線(あるいはローソク足)が移動平均線を上抜いたのをもって、買いサインと考えられている。下抜くのが売りサインであるから、つまりは、目下の価格が移動平均線の上にあれば、上昇トレンドと判断される。
あるいは原理的には同じことだが、短期移動平均線が長期移動平均線を上抜けば、買いサインとされる。その移動平均の計算は、実に簡単である。
1日目に0円から始まり、1日ごとに1.02円ずつ上昇する相場があったとする。11日目には10.2円に達し、その後は1日ごとに0.98円ずつ下がっていくとしよう。 1日目から20日目まで、20日間の移動平均MA20は次のように計算される。
MA20=(0+1.02+2.04+…+9.18+10.2+9.22+…+3.34+2.36+1.38)/20
21日目には0.4円の安値をつける。 その後もまったく同じ動きが続くとすれば、20日ごとにつける安値は0.4円ずつ切り上がっていく。上のグラフの黒い線が、この場合の日々線である。切り上がる安値と同じ勾配をもつ、赤い線が20日移動平均線となる。
1日目から11日目まで、11日間の移動平均MA11は次のように計算される。
MA11=(0+1.02+2.04+…+8.16+9.18+10.2)/11
足して割るだけ。ほとんど小学生の算数である。上のグラフの青い曲線が、11日移動平均線となる。さて、よくご覧いただきたい。この11日移動平均線が20日移動平均線を上抜いたとき、買いに入り、下抜いたとき、売りに入るとする。
そんな売買を続ければ、結果は破産である。
知らず知らずのうちに、こんな売買を……と脅すつもりはない。必ず10日上げて10日下げる相場があるはずもなく、移動平均で儲けもすれば、損したりもするだろう。ただ、「数式を使っているなら科学的だ」などと妄信してはならない。
実際、ほとんどの(おそらくは全ての)統計学者、経済学者は「移動平均線を上抜けば強気、下抜けば弱気」なんて話に鼻も引っかけない。あなたが儲かったとしても、あるいは損をしたとしても、そこに科学的根拠はないのである。
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