2018/10/29
「MT4におけるギャン・ファンの引き方」#1~#4までに述べた方法、つまり正しい方法でギャン・ファンを引いたのが上の日足チャートである。ただし1×1、1×2、2×1の3本だけ引いてある。起点は#5と同様、2018年3月の安値である。
いうまでもなく、5月高値(正確には5月21日高値)とは無関係に引かれており、したがって2×1は、5月2日高値に対して有効に働いていると見なされる。
残念ながら5月高値に対しては、ギャン・ファンは機能していない。だが下降後、5月24日安値に対して1×1が支持線となり、小反発が生じている。
5月29日、その1×1を割り込むが、反発した後は1×1に沿うかたちで上昇。7月19日においては1×1が抵抗線となって反転する。下降後は8月21日、9月7日の2回に渡って、見事に1×2が支持線として機能している。
ラジオNIKKEI第1の『トレードパーティ♪』では、山中康司氏が「ギャン・ファンは支持線・抵抗線というよりも、相場の勢いを見るもの」といったような解説をしている。「相場の勢いを見るもの」というのは、あながち間違いではない。
上のように色分けしてみれば、相場は5月29日を境に、より勢いの強いAゾーンから、より勢いの弱いBゾーンへと移行したことが見て取れる。 しかし「支持線・抵抗線というよりも……」という解説はいただけない。
ご覧のように、正しく引けば支持線・抵抗線になり得るのである。
ラジオNIKKEIの動画の方が、どう考えても当ブログより多くの人々の目に触れるはずである。また動画を見た人が自分のブログに、鵜呑みにした間違いをそのまま書き記すこともあるだろう。この記事が間違いの拡散防止につながれば、と願うばかりである。
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