2016/02/27
先日、『一目均衡表 週間編』(経済変動研究所) を読み返していたところ、「週間均衡表、月間均衡表を研究」という記述にぶつかった。
一目均衡表 - 時間論 #4 という記事に「山人自らが月足で使っていたかどうか、私にはわからない」などと書いてしまったが、完全な読み落としだったわけである。まず、これを訂正してから今日の本題へと進みたい。
同じ記事の中で私は、日足より短い足で均衡表が使えるかどうかを問題にしている。これに関連して以前、15分足のフーリエ変換を試みたことがあったので、今日は結果のご報告がてら、考察を加えてみたいのである。
ユーロ/ドル15分足の終値データ、4096個をフーリエ変換したところ、8時間40分周期に圧倒的な優位が認められた。「やっぱり周期はあるんだ」と感心したものである。
もっとも圧倒的だったのはそのときだけで、調査時期をずらしたり、通貨ペアを変えたりしてみると、8時間16分周期、8時間32分周期といった具合に、優位な周期にもばらつきが見られた。ともかくも、ぴったり8時間ではない。
さて一目均衡表を日足で使う場合、基本数値というのは、ほぼ8日周期を表している。8日に最初の1日を加えて9日となる。8×2に最初の1日を加えると17日。8×3に1日を加えると25日で、26日にはならないのだが、そこら辺は延べ2000人、4年(乃至7年)に及ぶ調査の結果である。そういうものだと受け取っておくしかない。
8時間40分に最初の15分を加えると、8時間55分。約9時間である。8時間16分を2倍して15分を加えると16時間47分で、約17時間。8時間32分を3倍して15分を加えると、25時間51分。約26時間となって、いずれも基本数値に近い。
無論、以上は完全な調査とはいえない。だが一目均衡表、4時間足や1時間足でも使えるかもしれないなぁと感じさせる結果ではある。そう思って上のドル/円1時間足チャートを見ると、なるほど基本数値らしきものが確認できる。
たとえば抵抗帯が機能するかどうかを判断するためには、きっちり値幅観測までしなければならない。 しかし、1時間足で値幅観測をするのは無理があるかもしれない。 一方で、遅行スパンの動きに注意してみる価値はあるようにも思う。
RSIの見方・使い方 #1で述べたように、RSIのパラメーターを13に設定しているのも、上の結果に基づいてる。ワイルダーによればRSIは半周期で見るのに適している。8時間40分を3倍して26時間。これの半周期が13時間というわけである。
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